ロタウイルスとは
ロタウイルスは、主に乳幼児を中心に急性胃腸炎を引き起こすウイルスの一種で、冬から春先にかけて流行することが多い感染症です。しかし、大人も感染する可能性があり、特に家庭内や医療・保育の現場では注意が必要です。ロタウイルスは非常に感染力が強く、少量のウイルスでも口から体内に入ることで発症することが知られています。
このウイルスは腸管内で増殖し、主に便を介して広がります。一度感染しても再感染する可能性があるため、油断は禁物です。とくに体力や免疫力が低下している方にとっては、重症化するおそれもあるため、適切な対応が求められます。
ロタウイルスの症状
ロタウイルスに感染すると、突然の激しい嘔吐や水のような下痢が始まることが多く、発熱を伴う場合もあります。典型的には、嘔吐が先に起こり、数時間後から水様性の下痢が続きます。大人の場合は症状が軽くすむこともありますが、乳幼児では脱水に至るほど重い症状になることが少なくありません。
下痢や嘔吐が数日間続くことで体内の水分や電解質が失われ、脱水症やけいれんを引き起こすケースも報告されています。特に高齢者や持病を持つ方では、入院が必要になることもあるため、早めの対応が重要です。
ロタウイルスの原因
ロタウイルスの主な感染経路は「経口感染」です。つまり、ウイルスが付着した手や物を介して口から体内に入ることで感染します。感染者の便に触れた手で食べ物を扱ったり、ドアノブやおもちゃなどにウイルスが付着していた場合、それに触れた人が無意識のうちに口に運んでしまうことで感染が広がります。
また、家族内や保育園、老人施設など、集団生活をしている場では一人の感染者からあっという間に広がることもあるため、手洗いや消毒などの基本的な感染予防策がとても大切です。ウイルス自体は環境中でもしばらく生存するため、感染力が持続しやすいという特性があります。
ロタウイルスの治療法
ロタウイルスに対する特効薬は存在しないため、治療は基本的に対症療法が中心となります。主な治療の目的は、嘔吐や下痢によって失われた水分と電解質を適切に補うことです。乳幼児や高齢者で脱水が進行している場合は、点滴による補液が必要になることもあります。
自宅での対応としては、こまめな水分補給がもっとも重要です。一度に多量を飲ませるよりも、少量ずつ頻繁に与えるほうが効果的です。市販の経口補水液などを利用するのも良い選択肢です。ただし、嘔吐が続いて水分が取れない場合や、尿の量が明らかに減っているときには、速やかに医療機関を受診することをおすすめします。
予防の観点では、乳幼児に対してワクチン接種が有効とされています。日本では経口生ワクチンが2種類認可されており、生後6週以降から接種が可能です。ワクチンによって重症化を防ぐことが期待できるため、予防のひとつとして重要な選択肢になります。
