ピロリ菌とは
1982年、オーストラリアの医師により、
強い胃酸の中でも生息できる細菌「ヘリコバクター・ピロリ(通称:ピロリ菌)」が発見されました。
ピロリ菌は胃の粘膜に住みつき、慢性的な胃の炎症やさまざまな消化器疾患の原因となることが分かっています。
ピロリ菌が原因となる主な病気
ピロリ菌感染に関連していると
されています。

感染経路と感染状況

ピロリ菌は主に幼少期(5歳以下)
の間に
以下の経路で感染します。
-
衛生環境の
整っていない
水や食べ物 -
家庭内感染
(親から子への
口移しなど)
現在、日本では約3,500万人が
感染しており、
特に50歳以上の方の
感染率が高い傾向があります。
ピロリ菌と胃がんの関係

ピロリ菌が胃粘膜に感染すると、慢性的な炎症が続き、やがて胃がんのリスクが高まります。しかし、除菌治療を行うことで胃がんのリスクは約3分の1に低下するとされています。
そのため、日本ヘリコバクター学会も感染者全員に対する除菌治療を推奨しています。
ピロリ菌の検査方法
-

- 尿素呼気試験
- 呼気を調べる簡単な検査(約20分)です。
診断薬を服用し、服用前後の呼気により診断を行います。吐いた息で診断するため、安全に検査をすることが可能です。
※当院では胃カメラと同日に行います。
-

- 血液検査
- 血液中の抗ピロリ抗体を測定します。スクリーニングに有効です。
胃全体を診断できるため、ピロリ菌がどこに存在していても精度の高い結果を得ることができると言われています。
-

- 便中抗原検査
- 便に含まれるピロリ菌の抗原を検出して感染の有無を確認する検査です。治療後の除菌判定にも使用できます。
-

- 内視鏡時の検査
- 胃粘膜の組織採取による詳細検査です。
迅速ウレアーゼ試験・組織鏡検法・培養法などの診断方法があります。
※当院では行っておりません。
ピロリ菌の除菌治療について
治療の流れ
-
一次除菌
抗生物質2種類と胃酸抑制薬1種類を1日2回、1週間服用
-
二次除菌
一次除菌が無効の場合、抗生物質を変更し再度1週間服用
- 二次除菌までの成功率は約97%です。
- 三次・四次除菌は保険適用外(自費診療)となります。
治療中の注意点
- 軟便、下痢、味覚異常、腹痛、発疹などの副作用が出る場合があります。
- 除菌後、一時的に逆流性食道炎の症状が出ることがありますが、多くは軽度です。
- 重度の副作用が出た場合は速やかにご相談ください。
除菌後のフォロー
除菌後も胃癌リスクは完全にはなくならないため、定期的な内視鏡検査が推奨されています。
また、再感染はごく稀で、年間約0.3%とされています。
保険適用と自費診療について
保険適用対象
以下の場合、検査・除菌治療は保険が適用されます。
- 内視鏡検査で胃炎が確認された場合
- 胃MALTリンパ腫
- 早期胃癌に対する内視鏡的治療後
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
- 特発性血小板減少性紫斑病
自費診療
胃カメラを受けずに検査・除菌をご希望の方には、自費診療をご案内しています。
検査結果は、対面または郵送(別途料金)でお伝えいたします。自費診療の場合のみ、メール・LINEでのご報告も可能です。
| 検査内容 | 費用 |
|---|---|
| ピロリ菌検査 |
9,900円 |
| 除菌治療 |
13,200円 |
| 郵送検査を |
+1,100円 |
ご予約・お問い合わせはこちら
- 9:00-12:30/14:00-17:30(土日16:00まで)
- ※土日は完全予約制です
- 休診日:第1/3/5木曜・祝日
Q&A
ピロリ菌に関する
よくあるご質問
-
ピロリ菌は悪い菌ですか?はい、悪い菌です。ピロリ菌は胃に長期間感染すると、萎縮性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、胃がんなどの病気を引き起こします。特に日本では胃がんのほとんどがピロリ菌感染と関連しています。
-
ピロリ菌はどうやって感染するのですか?主に幼少期の飲み水や食べ物、家族内での口移しなどを通じて感染します。一度感染すると自然には治りにくいのが特徴です。
-
ピロリ菌は除菌した方がいいですか?はい。除菌を行うことで胃がんや胃潰瘍のリスクが大幅に下がるため、感染が判明したら除菌治療をおすすめしています。
-
除菌治療の成功率はどのくらいですか?一次除菌で約80~90%、二次除菌まで行えば約97~98%の成功率です。薬剤耐性菌の影響で一部の方は二次除菌が必要になります。
-
二次除菌まで失敗したらどうなりますか?三次・四次除菌が可能です。抗生剤を変更して治療しますが、三次以降は自費診療となります。
-
ピロリ菌の検査方法は?血液検査、尿検査、便検査、呼気検査、内視鏡での組織検査など複数の方法があります。状況に応じて適切な検査を選びます。
-
除菌治療ではどんな薬を使いますか?胃酸を抑える薬(PPIまたはボノプラザン)と2種類の抗生物質(アモキシシリン+クラリスロマイシン)を1日2回、1週間服用します。
-
除菌成功の確認はどうしますか?治療終了から2ヶ月以上空けて、呼気検査または便中抗原検査で除菌できたか確認します。
-
除菌すれば胃がんになりませんか?リスクは大きく減りますがゼロにはなりません。除菌後も年1回程度の内視鏡検査が望ましいです。
-
除菌後に再感染することはありますか?基本的には再感染は稀ですが、完全にゼロではありません。特に衛生環境が悪い場合は注意が必要です。
-
「点の検査」「面の検査」とは何ですか?「点の検査」は内視鏡で胃の一部の粘膜を採取して調べる方法、「面の検査」は胃全体の感染状態を評価する呼気検査や便検査のことです。
-
点の検査にはどんな方法がありますか?迅速ウレアーゼ試験、組織染色、培養検査などがあり、内視鏡時に採取した胃粘膜を使います。
-
面の検査にはどんな方法がありますか?尿素呼気試験、便中抗原検査、血中抗体検査、尿中抗体検査などがあります。非侵襲的で簡単に行えます。
-
感染診断や除菌判定に適しているのはどちらの検査ですか?除菌判定や感染診断には「面の検査(呼気検査・便中抗原検査)」が適しています。全体の感染状態を把握できます。
-
検査や除菌にかかる費用はどのくらいですか?検査は9,900円(税込)、除菌治療は13,200円(税込)です。郵送検査を希望される場合は送料1,100円(税込)が別途かかります。
-
検査結果を聞く方法は?対面または郵送(別途料金)でお伝えします。自費の場合のみ、メールまたはLINEでご報告いたします。
-
ペニシリンアレルギーですが、除菌できますか?はい、可能です。アモキシシリンの代わりにメトロニダゾールなどを使った別の除菌療法を行います。
-
子供もピロリ菌検査は必要ですか?無症状の子供は基本的に検査は不要と考えます。ただし、潰瘍や家族に胃がんの多い方は検査を検討します。
-
子供も除菌できますか?小児除菌については学会でも見解が分かれています。当院では20歳以上を対象としています。
-
除菌するとポリープは消えますか?胃の過形成性ポリープは除菌後に縮小・消失することがあります。胃底腺ポリープは消えないことが多いです。
-
高齢者でも除菌は必要ですか?原則推奨されますが、80歳以上では副作用リスクも考慮して、体調やご希望に応じて判断します。

